入門者のための道具紹介〜ダイヤルキャリパー

今日はダイヤルキャリパーという聞きなれない道具をご紹介したいと思います。

上の写真に3つのダイヤルキャリパーが写っていますが、これはいずれも0.1 mm以下の材料の厚みを計測する機器です。昔の製作者はもっていなかった便利な道具の1つですが、厚みを測ることは実はどれだけ機器が高精度になったとしても目安に過ぎず、材質が違えばその都度製作者は勘を働かせて厚みを変えて作る必要があると考えています。

さて、楽器製作を初めて始める方にとっては、最初は1mmという値は小さな値であると感じられることが多いのですが、取り組むにつれてむしろ1mmは大きな値であると感じる場面が増えてきます。そして、少なくとも0.2mm以下の差異はやっているうちに自然と目で見て確認できるようになっていきます。

楽器作りでさえこのようにかなり細かい値に踏み込んでいくのですが、比較的硬度の高い材料を扱う弓作りなどにおいてはさらにもう一桁分細かくなり、0.01mmの単位まで精度を揃えていくことがほとんどです。

最初はその細かさに驚くかもしれませんが、車を高速で運転していて高速道路を下りたときに時速60kmぐらいでも早さのんびり感じられるように、常に精度感のある作業をこころがけていると、感覚はそれに慣れていくものです。

ふだんの生活ではそこまでの感覚を使うことがないので、皆さん自身の中に眠っている感覚のするどさに製作をする皆さん自身が驚くことになると思います。

ちなみに写真のキャリパーは小さいものが日本製、緑のがイタリア製、グレーのものがドイツ製です。どれもそれぞれの特徴がありますが、大きい方のものが1つあれば、ヴァイオリンから、チェロの製作まで役に立ちますね。

日本製のものは、ネット通販はもちろん、東急ハンズなどでも購入できます。東急ハンズは、比較的沢山の種類の道具を扱っている店舗が多く、実際に道具を手に取って購入できる場所なので、足を運んだことがない方はぜひ行ってみて下さい。

東急ハンズ

https://www.tokyu-hands.co.jp

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