入門者のための道具紹介〜小刀(ナイフ)

開校までの期間を使って、ヴァイオリン製作や修理で用いられる主要な道具をこちらで少しずつ紹介をしていきたいと思います。こちらを読まれて、興味をもっていただけた方は、ぜひご自身でも道具について少しずつ調べてみてください。

ヴァイオリン製作者にとって、もっとも使われる頻度の高い道具の1つがシンプルなナイフです。

鋭利なものなので、気を付けて使う必要がありますが、よく研ぐと、すべることなく、安全に使うことができます。

f字の穴を切ったり、弦を支える駒を切ったり、用途は実に多岐に渡ります。

当校では、まっすぐな刃のものと、刃が曲線を描いているナイフの両方を、仕事に合わせて使っていきます。もちろん、授業ではゼロから、刃をどのように仕立てるか学んでいきます。

ナイフはたくさんのメーカーがありますが、筆者が個人的に愛用しているのは、イタリアの現代製作家としてもっともよく知られた名人であるMorassi氏一家の経営する Liuteria Artistica Cremonese (通称L.A.C.)という名前のお店です。こちらのサイトを紹介させていただきます。

http://www.liuteria-artistica-cremonese.com/

オンラインでカタログが掲載されており、これからご紹介する道具もいろいろと出ていますので、ぜひご覧になってみてください。

ちなみに記事に添付した写真の中では、一番左がL.A.C. のナイフで、その他はドイツのHerdim社などのナイフです。

日本でも質の良い量産の刃物はいろいろとありますが、兵庫県三木市にある池内刃物さんはドイツの道具通販会社などにも諸刃の小刀を降ろしており、これまで受講生の方々と長年使ってきましたが、価格と品質の安定感には定評があります。

http://www.ikeuti.co.jp/

さらに、手打ちのしっかりしたナイフがほしいという方は、鍛冶屋さんに直接注文するという方法もありますので、ぜひ調べてみてください。

東京では左久作という銘で、池上さんという職人さんが手打ちの様々な刃物を打っています。

http://www1.odn.ne.jp/hidari/

私も何本か昔打っていただき、先のL.A.C.のものと同様に愛用しています。

皆さんの身近なところにある金物屋さんや刃物屋さん、また鍛冶屋さんを探し、訪ねてみてください。

一般に量産のナイフや、西欧のナイフは鋼が柔らかめで、研いでいると「かえし」と呼ばれるものが刃先に出やすいのですが、手打ちのしっかりした硬度のあるナイフになると「かえし」は出ずとも研ぎあがっていきます。最初はまずは様々なナイフを手に取って研いでみて、また実際に使ってみて、その切れ味や、切れ味と刃先がどれぐらい長持ちするかということなどを検証していくしかないと思います。

また、他の刃物についても言えることですが、刃物のまたその土地土地によって発展したきたものなので、必ずしもある地域や国や仕事で最高だとされているものが、他のところにもっていって最高であるわけではありません。切れ味や手に伝わる感覚も楽器を作っていく要素になるので、自分のお気に入りを見つけるのには時間がかかるかもしれませんが、ぜひいろいろと試していきましょう。

 

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