入門者のための道具紹介〜丸鑿(まるのみ)

前回の平鑿に続いて、今回は丸鑿(まるのみ)を紹介したいと思います。

丸鑿はその名前の通り、刃の表か裏のどちらかが、丸く局面を描いているノミのことです。丸鑿には大きく分けて2種類、内丸鑿(うちまるのみ)と外丸鑿(そとまるのみ)というものがあります。写真の中では、一番上のものが外丸鑿で、それ以外のものは柄の形状が様々ですがどれも内丸鑿です。

丸鑿もヴァイオリン製作では馴染み深い道具ですが、特にスクロールと呼ばれる渦巻き状の形状を削ったりするときにはこれらの内丸鑿が欠かせません。

外丸鑿の用途は実はヴァイオリン製作ではかなりかぎられており、なくてもできるのですがあると便利な道具で、丸鑿の一種でありながら、実は先に紹介した平鑿(ひらのみ)の代わりに使われることもしばしばあります。丸鑿は自分でそろえると間違えやすいので、必ず経験者に相談しましょう。

道具も一気に揃えると大変なので、少しずつ揃えていくと上のように様々なものになってしまいますね。

もしも皆さんが丸鑿をしっかりした鍛冶屋さんで作ってもらいたいと思われるのであれば、西東京市(昔の田無市)にある小信(このぶ)という鍛冶屋さんをお勧めします。小信は彫刻刀などの特殊な刃物を専門としている珍しい鍛冶屋さんで、ヴァイオリン作りのような特殊な仕事のための道具にも注文で応じてくださいます。筆者は小信で打っていただいた小道具鑿(こどうぐのみ)という鑿と彫刻刀の間ぐらいのサイズの道具をいくつか愛用させていただいています。

株式会社小信(東京、西東京市)

http://www.konobu.com/

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